ホリエモンこと、「堀江貴文さん」が60億円以上投じたことで注目を集めている、ロケット開発事業を目的とした企業『インターステラテクノロジズ』。
60億円以上投資するほど、堀江さんがロケット開発事業に投資する目的は何なのででしょうか?
調査してみました。
・ホリエモンがロケット開発事業に投資する目的とは
・なぜロケットの打ち上げが高いのか
・日本が世界一の宇宙産業国になれる2つの理由
・ホリエモンのロケット開発事業の目標



ホリエモンがロケット開発事業に投資する目的は「誰もが簡単に宇宙に行ける世の中を作りたい」

堀江さんがロケット開発事業に投資する目的は、「誰もが簡単に宇宙に行ける世の中を作ることです。
理由として、ロケットを使用した宇宙への輸送業をビジネスにしたいという考えがあります。
最近、人工衛星を使ったビジネスが少しずつ出てきています。
人工衛星はどんどん小型化して、作るのも安くなってきています。
そこで、堀江さんは安くて手軽なロケットが求められていると考えているのです。
いま、人工衛星はどんどん小型化して、作るのも安くなっている。だからあともうひとつのピース、安くて手軽なロケットというピースが絶対に必要。
安く、すぐに打ち上げられるということが重要で、超小型衛星を使ったビジネスが、会社の中間管理職レベルで決済できる額になれば、大きな変化が起きるはず。
(出典:現代ビジネス)

ロケットの低コストを実現するため、部品は可能な限り民生品にし、ロケットは再利用せずに使い捨てにしています。
今後の宇宙産業の発展のためには、宇宙空間への「輸送」を低価格かつ安全で行う必要があります。
堀江さんが目指すロケットは、必要以上の性能を求めず、代わりにコストを大幅に抑える。
車で例えると、移動手段としてのフェラーリとスーパーカブ。
どちらがいいかと言われると、もちろんフェラーリの方がいいですが、「目的地にたどり着く」ための手段を考えた時、スーパーカブで十分なわけです。
むしろ目的地によっては、小回りの効くスーパーカブの方が便利だったりすることもあります。
ロケットやスペースシャトルの1回の打ち上げにかかる費用は50億〜100億です。
なのでむやみやたらに打ち上げることはできないし、
この莫大な費用に加えて、ロケット打ち上げには国家が関わってきています。
そのため、目的地や宇宙に行くときの目的が事細かに決められているため、ビジネスとしての活動が自由にできないのが現状です。
そこで堀江さんは宇宙産業を拡大させるため、宇宙の「スーパーカブ」を作ろうとしているのです。
これを堀江さんは「世界最低性能のロケット」と呼んでいます。
僕らがやりたいのは、そういう超小型衛星を飛ばしたい人向けのバイク便。そのロケット版です。最高級のものを磨き上げて、国や大企業に納品させていただく「下町ロケット」のノリだと、宇宙産業の構造はずっと変わらない。コスト抑制のため、部品は可能な限り民生品。ロケットは再利用せずに使い捨て。これが僕らのロケットの特徴です。
それを「世界最低性能のロケット」と表現されているんですね。
(出典:電通報)
ロケット1回の打ち上げに50億〜100億円もかかっていては、ほんの限られた人間でしか宇宙を目指すことはできないため、宇宙産業が発展していきません。
低コストで打ち上げることができるようになれば、新しいことを試す機会が増えるため、宇宙産業の発展につながると言っています。
ロケットをローコストでどんどん打ち上げられるようになれば、宇宙探査のための新しい技術を試す機会を増やすことが出来て、探査技術の進化を早められるだろう。
(出典:現代ビジネス)
なぜロケットの打ち上げがこんなにも高いのか?

では、現状なぜこんなにもロケットの打ち上げは高いのでしょうか?
それは国家がロケット開発に関与し過ぎているからです。
「ん…??」
「国が関わっているから、国家予算が使われ、莫大な開発資金を手に入れることができるため、より良い開発ができるのでは?」
と思った方いるのではないでしょうか?
ですが実際は、ここに落とし穴が2点ありました。
1つ目、国家予算が出ることで、企業間の競争がないため、低コストを目指していない点。
2つ目、国のお金を使うため、「ギリギリで宇宙に届くロケットを作ります」とは言えず、最高品を作り続けなければいけない点。
堀江さんが目指しているロケットは、物を運ぶためだけのロケットであるため、低コストで宇宙までたどり着けば何でもいいです。
なので車で例えると「スーパーカブ」になるわけですね。
ですが国が関与しているばっかりに「F1カー」を目指さなければいけないというのが現状です。
実際、堀江さんのインターステラテクノロジズで使用しているロケットのエンジンの技術は1960年代に確立されたエンジンの燃焼技術を使っています。
古い技術ですが、低コストで確実みたいです。
国が作るロケットはF1カーだっていったけど、そもそもロケットって輸送業だから、荷物を運ぶためにF1カーを使う必要はない。ロケットなんてもっとコストが低いものでいい。でも国が税金を使うのに「ギリギリで宇宙に届くロケットを作ります」なんていえないから、F1カーを作り続けることになっていた。
(出典:現代ビジネス)
ロケット開発事業では、アメリカのイーロン・マスクの『スペースX』や、Amazonのジェフ・ベゾスの『ブルー・オリジン』などが、すでに大がかりな衛星の打ち上げを成功させており、宇宙産業の先駆けとなっています。
ですが、堀江さんは諦めることなく、むしろ日本は必ず宇宙産業の中でも世界のトップをとることができると言っています。
それはなぜでしょうか?
日本が世界一の宇宙産業国になれる2つの理由

堀江さんは自信を持って、日本には宇宙産業で世界一になるポテンシャルがあると言っています。
その理由が2つありました。
理由1:地理的要因
1つ目の理由は地理的な要因です。
堀江さんがファウンダーとなるインターステラテクノロジズの本社は北海道広尾郡大樹町にあります。(千葉県浦安市に東京工場)
ロケットの打ち上げは、本社から8㎞ほど離れた大樹町字浜大樹の海岸に建設したロケット射場(射点設備)で行っています。

工場からロケット射場の距離が短いため、時間的コストや安全面を最小限に抑えることができます。
アメリカでは、ロサンゼルスの工場から、東海岸側まで輸送しなければなりません。
そうなると時間的コストもかかるし、輸送のリスクも伴います。
また、ロケットには打ち上げる方角も考慮しなければいけません。
ロケットは基本的に東か南に向けて打ち上げます。
なぜかというと、東に打ち上げるのは、地球の自転と同じ方向に打ち上げれば加速を得られやすいからです。
南に打ち上げるのは、観測衛星に適した縦方向の極軌道に衛星を投入したいからという理由があります。
なのでヨーロッパは東側に海がないため、わざわざ南米大陸の東側にあるフランス領ギアナの宇宙基地からロケットを打ち上げていますし、
北朝鮮のロケットは常に東側のいる日本に向けて飛んでくるということです。
これまで北朝鮮がミサイルを発射したというニュースを見ると、日本へ向けて攻撃しているのでは?
と思っていましたが、北朝鮮でもロケットの打ち上げ実験をしているということでしょうか。
結論、インターステラテクノロジズがある大樹長は、東にも南にも開けているため、どちらの方角への打ち上げにも対応できるという絶好の立地になっています。
理由2:国内完結
2つ目の理由は、日本は国内完結できる点です。
日本は、素材からエレクトロニクス、工作機械などロケットに必要な要素がコンパクトな国内にすべて揃っている上に、技術も高水準で、輸送ネットワークも完璧です。
つまり、国内ですべての部品を調達し、輸送し、ロケットを製造して打ち上げることができます。
ロケットの部品は軍事転用できるものばかりであるため、仮にアメリカの会社と取り引きしようとすると、アメリカの貿易規制に引っかかるため、部品の調達が難しいです。
そのロスがないため、日本はロケット開発に非常に適していると言えます。
ロケットの部品というのは、ジャイロセンサーとか炭素繊維強化プラスチックとか、軍事転用できるものばかりだから、宇宙ビジネスの最先端を走っているアメリカの会社と取引しようとしても、ITARというアメリカの貿易規制があって、それに引っ掛って、調達はなかなか難しい。でも日本は、ロケットの部品が全部、国内で調達できるから、ウチのロケットは完全にITARフリー。
ということは、アメリカの貿易規制にひっかからないウチは人工衛星打ち上げを受注しやすくなる。国内ですべての部品を調達し、輸送し、ロケットを製造して打ち上げるわけだから、それに関わるお金はすべて国内に落ちる。だから宇宙産業が盛り上がるわけ。こうした潜在力をうまく引き出していけば、日本は宇宙産業でアメリカを凌ぐ世界一になれるはず。
(出典:現代ビジネス)
ホリエモンのロケット開発事業の目標

- 打ち上げ時期・軌道を要望通りに・1回の打ち上げ費用は5〜6億円に
- 恒星間飛行
- 宇宙旅行をもっと身近なものに
目標①:打ち上げ時期・軌道を要望通りに・1回の打ち上げ費用は5〜6億円に
2018年に超小型衛星が打ち上がった数は約250機で、超小型衛星の打ち上げ市場は年々ものすごい勢いで拡大しています。
今後5年間ではその10倍くらいの数が打ち上げられると見込まれるほどです。
小型衛星は大型ロケットの隙間に載せてもらっているのですが、大型ロケットは打ち上げ時期や軌道を選ぶことができないため、自由が効かず、思ったことをするのに手間も時間もかかります。
ですが、インターステラテクノロジズのロケットは「スーパーカブ」だから、ご要望通りに打ち上げられることを目指し、価格は1回の打ち上げを5~6億円を検討しています。
超小型衛星の打ち上げ市場はいま、ものすごい勢いで拡大している。超小型衛星は、去年打ち上がったのが250機くらいで、今後5年間ではその10倍くらいの数が打ち上げられるらしい。こうした小さな衛星はこれまで、大型ロケットの隙間に載せてもらってたんだけど、大型ロケットは打ち上げに100億くらいかかるのでその数は限られるし、打ち上げ時期も軌道も選ぶことは出来ない。
でもウチのロケットはスーパーカブだから、お客さんのご要望通りにいつでも打ち上げられますよというものになる。これを1回5~6億円でやるのがいまの目標。
(出典:現代ビジネス)
目標②:恒星間飛行
有人飛行や宇宙探査も視野に入れており、恒星間飛行を目指しています。
社名にあるインターステラテクノロジズの意味は、
ステラは恒星という意味で、インターステラだと恒星間という意味になります。
インターステラテクノロジズ。ステラは恒星で、インターステラだから、恒星間。会社としては、恒星間飛行のための技術を目指している。
目標③:宇宙旅行をもっと身近なものに
堀江さんは、安くて手軽な宇宙の輸送業を実現させて、宇宙をビジネスや生活の場にしたいと考えています。
年間、何万もの人が宇宙にいくようになれば、軌道上のインフラもどんどん充実して、宇宙が日常になります。
そうなれば、馬車の時代に自動車が想像できなかったような、いまでは考えられない、大きな変化が現れて、もっともっと遠くへ行くための方法が見つかるかもしれません。
また、インターネットが日常になったように、宇宙が日常になる世界を作ることです。
今でこそ当たり前になっているGPSも人工衛星を使ったサービスです。
こういうサービスがどんどん増えていって、宇宙がいまのインターネットみたいに、いろいろな使い方ができる環境にしたいと思っています。
GPSを使ったサービスのようなものがどんどん増えていって、宇宙がいまのインターネットみたいに、高尚なものから低俗なものまで、いろいろな使い方ができる環境にしたいと思っている。宇宙を身近に、日常に。
(出典:現代ビジネス)


